阪急 12月ダイヤ改正 「快速急行」→「準特急」に 京都線で座席指定サービス24年開始

阪急電鉄は、2024年に京都線で座席指定サービスを開始することを発表し、それを見据えたダイヤ改正を2022年12月17日(土)に全線で実施します。

阪急6300系電車「京とれいん」(まおいち/photolibrary)
阪急6300系電車「京とれいん」(まおいち/photolibrary)

深夜減便・終電繰り上げ

今回のダイヤ改正では、神戸線・京都線で運転している「快速急行」の列車種別の名称が「準特急」へと変更されます。停車駅の少ない種別が「特急」の付く名称に揃えられ、「特急」「通勤特急」「準特急」に導入を予定している京都線の座席指定サービスへとつなげます。このサービスは、「プライベート空間を確保したい(密を避けたい)」「着席してゆったりと移動したい」という利用者ニーズの高まりを受けて導入されるもので、詳細については決まり次第、改めて告知するとのことです。

また、新型コロナウイルス感染症の影響で在宅勤務や時差出勤の導入が進んだことから、鉄道利用に対するニーズは多様化しており、夜間の利用動向も変化しているとのことです。これらに対応するため、平日の朝ラッシュ時間帯や夜間・深夜時間帯を中心にダイヤ見直しが行われます。

神戸線・宝塚線・京都線に共通する変更点として、平日朝ラッシュ時間帯に10両編成で運転する列車の一部が8両編成に減車されます。また、利用が減少している平日の夜間・深夜時間帯は減便が行われます。阪急は2021年3月13日のダイヤ一部変更により全線の終電時刻を繰り上げましたが、今回、さらに追加で一部の最終列車の時刻を見直します。

そのほか、女性専用車両を設定する列車が全線で「通勤特急」に統一され、よりわかりやすい運用となります。なお、各線とも昼間時間帯の本数や運転間隔に変更はありません(ダイヤ改正の概要、京都線の列車種別と停車駅など詳細は下の図表を参照)。

【図表で解説】阪急 2022年12月ダイヤ改正

「京とれいん」にも変化

神戸線では、朝ラッシュ時の新開地駅発・特急 大阪梅田駅行が現在、神戸三宮駅から10両編成で運転していますが、改正後は全区間で8両編成に変更されます。神戸三宮駅での増結作業が取り止められることにより、大阪梅田駅までの所要時間は短縮するとのことです。通勤特急は引き続き10両編成で運転され、改正後は阪急全線で唯一の10両編成列車となります。また、今津線を経由する宝塚駅発・準急 大阪梅田駅行は運転時間帯が約15分繰り上げられ、6時台からの運転開始となります。終電時刻は、大阪梅田駅発の急行 神戸三宮駅行が現行(0:00発)から15分繰り上げの23:45発となるなど、各区間で見直しが行われます。

【中部発】名阪特急「ひのとり」に乗車するおすすめツアー 移動時間を、くつろぎの時間へ。これまでにない移動空間をもつ名阪特急「ひのとり」を是非体感してください。(提供:近畿日本ツーリスト)

宝塚線では、平日朝ラッシュ時に10両編成で運転している川西能勢口駅発・通勤特急 大阪梅田駅行がすべて8両編成に変更されるとともに、6時台に1本増発されます。朝ラッシュ時ではそのほか、石橋阪大前駅での箕面線と宝塚本線(大阪梅田駅方面)との接続時間が現行よりも確保され、乗り換えが容易になる一方、箕面駅からの大阪梅田駅行直通列車は2本とも運転取り止めとなります。また、大阪梅田駅発の急行 宝塚駅終電は現行(23:48発)より3分繰り上げられ、23:45発となります。

京都線は朝・夕ラッシュ時の運転本数が調整され、一部列車の所要時間が短縮します。10両編成の列車はすべて8両編成に変更されます。ラッシュ時は淡路駅に停車する準特急(現在の快速急行)の本数が増やされ、淡路駅の利用や千里線、Osaka Metro(大阪メトロ)堺筋線との乗り換え利便性が向上します。その代わり、朝・夕に設定されている通勤特急は大きく本数が減らされ、朝の上下各3本のみの運転となります。また、早朝・深夜に運転されている「快速」は種別名が「急行」に変更され、停車駅に西京極駅が追加されます。深夜時間帯は、現行ダイヤで大阪梅田駅0:00発の準急 桂駅行の設定がなくなり、桂駅までの終電は改正後、大阪梅田駅23:45発の急行 京都河原町駅行に繰り上がります。

なお、土休日に京都線で運転されている観光特急は、十三駅を通過する「快速特急A『京とれいん』」(1日3往復)の運転が取り止められ、「快速特急『京とれいん雅洛』」(1日4往復)のみの運転となります。「京とれいん」は、京都線の特急用車両として活躍した片側2扉の6300系車両を改造した観光仕様の列車で、2021年3月19日で運行開始10周年を迎えました。これを記念してヘッドマークや車内プレートなどの装飾企画が実施されたばかりですが、ベース車両は製造後45年を超えており、今後の動向が注目されます。